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自分の名前、お子さんの名前をアルファベットで書くとができますか?
書けるという人が大半ではあると思いますが、「あれ…こうかな?いや、こうかな?」なんて、お名前によってはちょっとややこしく感じている方もいるのではないでしょうか。
今回は、名前のアルファベット表記についてお話します。
主にローマ字についてのお話ですが、私も色々と調べているうちに若干頭がこんがらがりました(笑)
目次
名前をアルファベット表記はローマ字が基本
日本人の名前をアルファベットで表記するには、ローマ字が基本。
現在、小学校3年生の国語でローマ字が導入されます。
出生の際に提出や登録は必要ないので、漢字のように戸籍に記されたりすることはありません。あくまでも、アルファベットでの表記が必要な場合に使用するのみです。パスポートとか、クレジットカードの名義とかですね。
でも個人的な予想ですが、今後はアルファベット表記も登録することになる、とかもあり得ますよね~。
英語での表記に迷わないために、ローマ字とは何なのか?というところからチェックしていきましょう。
ローマ字は英語ではなく日本語
「ローマ字の授業はなんで国語やねん…英語の文字つこてるやん」と幼い頃に思った経験があります。
その理由。単純に、ローマ字は日本語だからです。
「アルファベットを使って日本語を書こうの巻」ってだけです。
なので、本来「名前を英語で書く」って表現は誤りなわけですね。
「日本語の名前をアルファベット(ローマ字)で書く」って表現が正しい。
まぁでもこういうことを言うと「細かいヤツだな」って思われるので、あんまり言わないようにしよう。ただでさえ理屈っぽいって言われてるから。
ローマ字には2種類ある
ローマ字にはなぜか2種類あるんです。
なんでそんなことしちゃったかなぁっていうめんどくささをすごい感じます。
でも、理由を聞けば、まぁ…わかるかなって感じです。
ひとつは、「日本人が読んで発音できる式」。
もうひとつは、「外国人が読んで発音できる式」。
では、それぞれを詳しく説明してまいりましょう。
訓令式
訓令式とは「日本人が読んで発音できる式」です。
別名「小学校で習う式」。
しかしながら近頃訓令式で表記されている身の回りのものってとても少ない印象です。
少なくとも私自身は訓令式に慣れておらず、まさにローマ字の授業を受けてきた長男のプリントを見て、「????」だらけでした。
「いし」=「ISI」
「しゅうじ」=「SYUUJI」
読めない…逆に読めない。
でもそれって英語の綴りに日本人が慣れてきているからということでしょう。
よく考えてみると、「SHU」って、もし英語を知らなければ多分読めてないですよね。
対して「SYU」。SとYUの組み合わせですから、日本人には元々こちらの方がイメージしやすいはず。
ちなみにこちらが訓令式のローマ字表です。

ヘボン式
ヘボン式とは「外国人が読んで発音できる式」のほうです。
駅看板や道路標識など、身の回りにあるものにも使われているのがヘボン式。
もはや日本人にもこちらの方が馴染みのある形式だと思います。
「しゅ」が「SHU」、「ちゅ」が「CHU」というように、英語の読みに寄せた書き方です。
こちらがヘボン式のローマ字表。

前述の訓令式が
「いし」=ISI
「しゅうじ」=SYUUJI
なのに対し、ヘボン式だと
「いし」=ISHI
「しゅうじ」SHUJI
となります。
昔の日本人からしたら、「た」が「TA」なのに「ち」が「CHI」なんておかしいだろ!「TA TI TU TE TO」だろぉ!ってなるんでしょうね。
でも英語で「TI」を読むと「ティ」です。
「たけち」さんは訓令式だと「TAKETI」さんになり、「タケティ」さん。
たけち:違う!私の名前はたけちだ!た・け・ち!
ジョン:…?Why?It says TAKETI. タケーティ.
(どうしてだい?TAKETIと書いてあるじゃないか。タケーティだろ。)
たけち:だから!たけ「ち」!
ジョン:That’s CHI. You should write TAKECHI. Otherwise it cannot be pronounced as TAKECHI.
(それはCHIだ。TAKECHIと書くべきだ。でないとタケチと発音されないよ。)
こうして今ここにヘボン式が誕生しました。
ヘボン式ルール1:NじゃなくてM
ヘボン式のもうひとつのルール。
B・M・Pの前に「ん」がある場合は、「ん」は NではなくMで表記することになっています。
「なんば」=NAMBA
「ほんま」=HOMMA
「さんぺい」=SAMPEI
といったようになります。
ヘボン式ルール2:音を伸ばす時は母音に頼る
伸ばす音は母音の1文字に責任を負わせるスタイル。
「かとう」さん=「KATO」
「こうた」さん=「KOTA」
「ゆうと」さん=「YUTO」
という風になります。
「とう」「こう」=TOU、KOUではなく、Oの1文字で「オー」と伸ばす。
「ゆう」=YUUではなく、Uの1文字で「ウー」と伸ばす。
結局アナタに丸投げ…「オオ」のつく名前
さて、ここで最難関と言っても良い名前のローマ字表記です。
大野さん、大原さん、太田さんなどの「オオ」のつく名前です。ここでは大野さんを例にとってお話しましょう。2020年で嵐も解散ですからね(関係ない)
まず、訓令式であれば、大野さんは「OONO」さんですが、まず外国人には正しく読んでもらえないと言えます。「OONO」さんだったら、「ウーノ」さんって読まれてしまいます。
ではヘボン式だと最初のOで「オー」と伸ばして「ONO」さんですが、これでは小野さんとの区別がつきません。そこで、「オー」=OHとして、「OHNO」とする場合もあります。王監督もユニフォームに「OH」とありました。
ここはONOとするかOHNOとするかは個人の自由と言って良いでしょう。読み間違えられなくて済むのはOHNOさんでしょうね。
結局訓令式とヘボン式、どちらを使えば良い?
訓令式、ヘボン式ともに同じ綴りの人には関係のない話ですが、この2タイプでつづりに違いがある人には「結局のところどっちで書いたらいいねん!」と思われることでしょう。
結論から言うと、ヘボン式で書いた方が良いです。
ここでの「書いた方が良い」というのは、そちらの方が正解だからとか言う意味ではなく、外国人には読んでもらいやすい書き方であることと、近年の日本でもローマ字はヘボン式で書かれている方が多い殻です。
訓令式を使ってはいけないというわけではないのですが、少なくとも訓令式とヘボン式が混ざらないようにするべきでしょう。
《例》
しゅうじ→【訓】SYUZI/【ヘ】SHUJI
これをSYUJIにしてしまうと、SYUが訓令式、JIがヘボン式と混ざっています。読んでもらうことは可能でしょうが、ローマ字としては正解と言いにくいです。
「ローマ字入力」とは違う「ローマ字表記」
さんざんローマ字ローマ字言うて「ローマ字入力とは違う」って言われたら、なんかこれまで読んでたのアホらしいわって思えてきませんか。
でも、ここが実はとても大切なところなんです。
本当に大切なので、むしろここだけ読んでもらえたらよかったくらいの。
それはちょっと大袈裟でしたが。
ローマ字表記にするときに、注意するべき点があります。それは、「ローマ字入力」と「ローマ字表記」は違う、ということです。
「づ」はDUか?ZUか?問題
「みづき」ちゃん、「ゆづき」ちゃん。
とっても可愛らしいお名前です。
さあ、ローマ字でどう書きますか?
正解は「MIZUKI」「YUZUKI」です。
「MIDUKI」「YUDUKI」じゃないの!?と思われた方もおられるでしょうか。
それは、ローマ字ではなく「ローマ字入力」なんです。
ローマ字には「ず」と「づ」の違いはありません。
どちらも「ZU」でOK。
これは、音にアルファベットを当てはめているからです。
しかしながら、パソコンなどで入力する際は「MIZUKI」と打つと「みずき」になります。
これは、文字にアルファベットを当てはめているからですね。
ローマ字には「づ」に当たる音は「ず」と重複していますから、パソコンで「づ」と打ちたい時には「DU」と入力。
「っ」と打ちたい時は「LTU」と入力するのと同じです。
「てっぺい」くんを「TELTUPEI」とは書かないのと同じことです。
なので、「MIZUKI」と書くと、読みは問題ないでしょうが「みずき」と書かれることがあるかもしれません。
その時は「みづきです」「つ、に濁点です」と伝えるしか方法はありません。
「MIDUKI」と書くと「みどぅき」と読まれてしまいます。
「じ」はJIか?ZIか?
「じ」はローマ字入力は「JI」と「ZI」どちらでも出てきますが、「ZI」は「ズィ」と読まれてしまうので注意です。
「SHUZI」くんは「シュウズィくん」になっちゃう。なんかカッコイイけど。
「ざじずぜぞ」は「ZA JI ZU ZE ZO」なのです。
ちなみに、兵庫県宝塚駅の駅看板も「TAKARAZUKA」と表記されています。
外国人に名前を読んでほしい場合の裏技
ヘボン式を使用して表記すれば現代社会ではほぼ問題ないですが、外国人からしたら「日本人の名前は読みづらい」のだそうです。
私も過去に、同僚となる外国人講師と初めて会ったときに「君の名前はアイコ?エイコ?」と聞かれたことがありました。
AIKOのAをスタンダードなフォニックスどおりに[a]と読むか、母音の[ei]で読むか悩んだということでしょう。
もし、間違いなく一発で読んでほしいというシチュエーションがあるならばですが、その場合には裏技があります。
ローマ字のことを忘れて、自分の名前の読みを英語の発音に当てはめることです。
「あいこ」=AIKOではなく、IKOもしくはICOと書いた方が外国人には迷いがありません。
頭文字に母音が来る場合は、アルファベットそのままの音で読むことが多いからです。
「ゆり」さんはローマ字にすると「YURI」さんですが、発音としては「YURI」より「YULI」の方が近いはずです。日本語にはrのような、舌を巻く音がありませんからね。
ローマ字にLは使用しませんが、外国人により正確に発音してほしい場合は、このように英語の発音に自分の名前を当てはめるという手もあります。
しかしながら、学校でこの表記をすると直される可能性が大きいです。
また、パスポートの申請などはよほどの理由がないとこの書式では申請できないかと思いますので、パスポートセンターへ問い合わせてみてください。
対外国人のコミュニケーションにおいては抜群に効果を発揮するかとは思います。
まとめ
今回は名前のローマ字表記のお話でした。
私も今回色々と勉強するにあたって、知らなかったことや、知らずに使っていたこともあって耳からヘ~が何度も出ました。
最後にご紹介した「英語発音に寄せた表記」を考えるのがちょっと楽しかったりします。
「KAYSKE HONDA」の方が読んでもらえるんちゃうかな、とか。
特に本田氏は著名な方なので困ってらっしゃらないでしょうけど、大きなお世話でした。
では今回の記事のまとめ。
・ローマ字には2種類(訓令式とヘボン式)
・ヘボン式で表記したほうが外国人は読みやすい(ルールがいくつかある)
・ローマ字入力には注意
・英語発音に寄せちゃうアバンギャルドなやり方もあるよ
以上です。
ではまた次回の記事でお会いしましょう。
▼ところでアルファベットの書き順って知ってますか?
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