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アルファベットにも書き順はあるの?
この記事を読んでくださっている方の中には、学校での英語教育は中学校からだ、という方も多いのではないでしょうか。
そこで質問です。
「アルファベットの書き方って、日本語の文字ほどしつこく教えられました?」
多分答えはNOだと思います。
漢字のように「Aの3画目はどの線でしょう?」とか、テストに出なかったですよね。なんだかよくわからないうちに、「I have a pen.」に行っちゃってた記憶。
私もこの仕事を始めるまで、アルファベットの書き順なんて全く気にしてなかったです。誰にも聞かれないし、例え「そりゃおかしいでしょ」って書き方をしてたとしても誰からも指摘されないし。書けてて読んでもらえればいいでしょくらいに思っていました。
衝撃の「M」4画
そんな、流浪なアルファベットの書き方をしていた私ですが、子供に英語を教える職に就いた当初、かなりの衝撃を受ける出来事がありました。
幼稚園の年齢の生徒が使用するワークブックには、アルファベットの書き方と書き取りスペースがあります。そこで私は「う…嘘やろ…今までの私の23年間何やってん…」と膝から崩れ落ちる思いをした訳です。

ワークブックの「M」はこんな風になっていました。
えっ…Mって上から下4本線で書くの!?ほなマクドナルドのロゴはどうやって書くんや。あれはどう見たって下からぐいんぐいーんって一筆書きでいけちゃううやつやないか。
その他にもそれまでの自分の中の書き方とはまるで違う書き順を持つものが登場しまくったのです。
それでは「なんで敢えてこの書き順」シリーズ、どうぞ。
※「私最初からその書き順で書いてますけど」って方ごめんなさい

飛距離が遠い

無事出会えるか不安

わざわざ枝分かれの道を選ぶ

2回もあるストレス
結局書き順って決まってないんです
結論から言えば、日本語のように書き順がきちんと決まってはいないんです。
なので、教科書やドリル、参考書によっては書き順が違ったりもします。
アルファベットが学校で教えられるようになったのは第二次世界大戦後のこと。書いたことのない、見慣れぬ文字を学ぶのに書き順もわからないと教えられないと、文部科学省が教科書に記載するため、それぞれの文字の書き順を定めたということです。
なるほど、なんとなく書き順が日本語っぽい気もする。
わざと遠回りしちゃう感じとか。
「口(くち)」って漢字も、本来一筆書き出来るのに、わざわざ3画に分けちゃいますもんね。Aとかの、「折れ線書かずに枝分かれ方式」なんかにはそういった大和魂を感じます。
しかしながらその書き順が「正しい」とはされていないとのこと。
文部科学省の学習指導要領には「文字や符号を識別し、語と語の区切りなどに注意して正しく書くこと」とあるのみです。
「書き順を守る」とは書いていないので、文部科学省の書き順は単に「アルファベットってどう書いたらいいかわかんないでしょ?参考までにどうぞ♪」っていう程度のもんってことですね。
ただ、気になる人もいるかと思うので、文部科学省が発表しているアルファベットの書き順を掲載しておきます。
大文字の書き順 by 文部科学省

前述のMやV、Wなどのわざわざ感はもちろんですが、Eの書き方もなかなかパンチが効いていますよね。
小文字の書き順 by 文部科学省

意外と知られていないのは、i、jの点は後から打つということ。
f、tは縦線が先で横線が後というのも知らない人が結構いるようです。
必ずこの書き順でなければ処刑されるというわけでもないので自己流で良いかとは思いますが、i、j、f、tの4文字に関しては外国人もこの書き方をしていることが多いです。
書き順問題を外国人に聞いてみた
では、実際母国語でアルファベットを使用する国の人たちは、書き順を気にするのでしょうか?
以前同僚だったドイツ人女性は「書き順とか気にしないわ」と言っていました。
確かに「ほぉ、その字そんな書き順で書くんや」と思った記憶があります。
ただ、他の外国人の意見も知りたくて、言語交換アプリ「Hello Talk」で質問してみました。

”アルファベットの書き方について知りたいです。
日本では小学校で平仮名、カタカナ、漢字を学びますが、どの文字にも書き順があり、書き順通りに書くように厳しく教わります。
国語のテストでは「この漢字の書き順の3番目はどれですか」というような設問すらあるくらいです。
そこで質問ですが、アルファベットの書き方を習ったとき、書き順を教わりましたか?教科書には書き順が示してありましたか?”
さっそく数件コメントをいただきました。
”矢印で書き順を示した教科書を持っていたよ。
その順番通りに書く練習をしたのを覚えているよ。”
(アメリカ人男性)
”僕の学校では、小学校でだけ書き順を習ったね。”
(アメリカ人男性)
”漢字のように、書き順は細かく言われないよ。
文字のバランスと、大文字小文字の認識のほうが大切だね。”
(カナダ人男性)
”書き順は英語圏の学校ではさほど重視されていないわ。
たいていの場合、幼いころからそれぞれが書きやすいように書いてるって感じね。”
(イギリス人女性)
ということでした。
なるほど、書き順はあるにはあるようですね。
しかし日本ほど、書き順は厳しくないという意見が100%を占めました。
書き順は混乱せず書けるようになるためには必要
その後私は某英会話教室より独立し、自営業として子供に英語を教え始めました。
ある時ホワイトボードに文字を書き、真似して書いてみるように生徒に伝えると、「ほぉ!その順番で書くか!」というような驚きの書き順で書いていたんです。
それも、かなり効率の悪い書き方だったり、あとは「どこから書けばいいの?」と戸惑う子も多いです。
なるほど、やはり書き順っていうのは必要だ。
その書き順でないといけません!絶対許しません!などということではありませんが、子供たちが混乱せずに効率よく文字を書くことができるようになるには、やはり書き順から教えるべきなのだ。
ということを実感した出来事でした。
今でも年少さんくらいの、小さな子供はおもしろい書き順でアルファベットを書くことがあります。
書き順はもちろん示していますが、あまりそこでしつこく「そうじゃない!」という風には訂正していません。書くことそのものが嫌になってしまっては本末転倒ですからね。
ちなみに私の教室のワークブックはすべて私が手作りしていますが、アルファベットの書き順は文部科学省の定めた書き順に則っています。
本当はもっと効率よく、書きやすい書き順で教えたいのですが、学校で習うときに書き順が違うなどで混乱させないためにです。
でもそれぞれ、自分の中で書きやすい書き方が決まってくるので、明らかに書きにくい書き順をしているなど、よほどでなけでば訂正せずにいます。
外国においても、書き順は重視されないというのは 「文字を書けるようになることを重視しているわけで、書くことができるようになればそれで良い」という感覚なのかなぁと思っています。
まとめ
今回はアルファベットの書き順についてのお話でした。
私は職業柄、文部科学省の書き順で書くようにしていますが、バランスよく書けて、自分が書きやすいと感じるように書けば良いでしょう。
お子さんのワークブックなどにも書き順が示してあるかとは思いますが、あまり訂正せず見守ってあげて良いのではないかと思います。
あまりにも非効率的な書き方をしている場合は、「こんな風に書いたら楽だよ」と示してあげてください。それでも我流にこだわるようであれば、それでいかせてあげてください(笑)。
▼ところで名前をローマ字で書けますか?
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