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今日は、子供英会話講師をされている方や、これから講師を目指す方、おうちでお子さんと英語で触れ合いたいと考えているパパママにぜひとも読んでいただきたいお話です。
子どもがどのような段階を経て、英語を学んでいくのか?
ということを記事にしたいと思います。
私の教室では、年に一度個人情報の登録用紙を保護者様から提出していただくのですが、その際保護者様の、お子様への英語教育への思いも一緒に書いていただいています。
そうするとほとんどの方が書いておられるのが「楽しんで英語を身に着けてほしい」ということ。嫌々だったりとか、無理をしてまで通わせようとは思っていない保護者様がとても多いのだと実感します。大人でも、楽しくないことを勉強するのは苦痛ですよね。
上達への近道は、やはり「楽しむこと」。
では、楽しく、無理なく、安心して子供たちにレッスンを受けてもらうには、どのようなことを気をつければよいのでしょうか。子供英会話レッスンにおける「絶対守るべき」3つの習得段階をお教えします。
目次
子供にとって英語は「未知なる言語」
日本に生まれ、日本で育ち、ほぼ日本人に囲まれて暮らしている子供たちには、英語は「未知なる言語」です。この「未知なる言語」がいかに楽しく、役に立ち、子供たちの未来をワクワクさせるエッセンスとなるかは、レッスンの運び方にかかっています。
私はスクール勤務時代に、新採用となった新人講師の研修を担当していました。どの方も一定の英語力があり、英語に慣れ親しんできた人ばかりです。そんな新人講師に向かって、私は突然こう言います。
「你叫什么名字?(あなたのお名前は何ですか?)」
新人講師はポカーン。
私は彼女らに、また言います。
「你叫什么名字?」
「えっ…何言ってるの?」「何て言えばいいの?」と言うように、戸惑った表情をされる方がほとんどでした。(中には中国語を勉強されたことのある方もいましたので、スペイン語やタガログ語など、数パターン用意していました)
「何言ってるの?」「何て言えばいいの?」「わからない…」この気持ちが、どれだけ子供を不安にさせることでしょうか。
その後で「この戸惑いは、いきなり英語を話そうとさせられる子供の気持ちと同じです」と新人講師たちに言うと、「あぁ…」ととても納得していただけました。
英語のレッスンだけでなく、子供にとって一番大切なのは「安心」。安心感なくして何かを楽しむことは不可能と言ってよいでしょう。それでは、どのようにすれば子供たちは不安を感じることなく、レッスンを受けられるのでしょうか。
必ず段階的に!3つの習得段階で発話まで持っていく
レッスンを進めるうえでの3つの習得段階は、以下の通りです。
- REPETITION:新しい単語を、講師の発話を聞いてリピートする。
- UNDERSTANDING:講師の発話を聞き、なんのことか理解できる。
- SPEAKING:自ら単語を発話できる。
この3段階を必ず踏まえて、レッスンを行ってください。
それではこの3つの各段階について、詳しく説明していきましょう。
1. Repetition(リピート)
フラッシュカードを見せて突然「What’s this?」と聞いても、知らない単語であれば応えられるはずがありません。まずはたくさん講師の発話を聞き、真似(リピート)をさせることからスタートしてください。
しかしながら、ただただリピートさせるだけでは、子供たちは退屈してしまいます。リピートをたくさん行うゲームやアクティビティを使用し、「言わされている」と感じさせないようにどれだけリピートの機会を設けるかがカギです。
Repetitionのゲーム:ホッピングゲーム
毛糸や紐で、子供の両足が入るくらいの輪っかを作ります。数は5~10くらい用意しましょう(スペースにもよります)。輪っかをひとつひとつすこしずつ話して並べます。子供は一番端の輪っかのところに立ちます。
講師がカードを見せ、単語を言って子供にリピートさせます。一度リピートできたら、子供は輪っかから次の輪っかにジャンプします。そして、講師はもう一度リピートさせ、リピートしたら次の輪っかへジャンプ。最後の輪っかにたどり着くころには、輪っかの数だけリピートしたことになるのです。
2. Understanding(理解)
たくさんのリピートを経て、子供たちは単語やフレーズを記憶に刷り込ませていきます。そこで、言えなくとも理解できているという段階がこのUNDERSTANDINGです。皆さんも、書けないけど読める漢字っていうの、ありませんか?あれに似ています。
理解ができていなければ、発話ができるわけはありませんので、発話させる前に必ずこの段階で、新しく学んだことが理解できているかを確認してください。この時、くれぐれも子供たちはまだ発話する必要がないという認識でいてください。
Understandingのゲーム:タッチングゲーム
講師がカードを見せてその中のひとつの単語を言う。そのカードがどれなのか、タッチや指差しができればUNDERSTANDINGはクリアです。もしこの時、どの単語のことかわからないようであれば、その子はまだUNDERSTANDINGの段階まで来れていません。再度リピートをたくさんさせます。
中にはUNDERSTANDINGの段階で、すでに発話ができる子もいるかもしれません。しかし、あくまでも理解ができていれば良しとする段階ですので、他の発話ができない子に発話を強要しないことが必須です。
また、理解できていることが確認できた際には、再度リピートをさせるなどすると良いでしょう。
3. Speaking(発話)
たくさんのリピートを経て、単語やフレーズが認識できるようになったらいよいよ発話に入ります。子供たちが発話できるか、フラッシュカードを見せて「What’s this?」と尋ねるなどしましょう。
そこで発話ができていれば、晴れてSPEAKING段階に突入です。発話を繰り返しながら、子供たちはより発話へ対する自信をつけていきます。たくさん発話ができるようなゲームを行うのが良いでしょう。
もし、カードを見て発話ができないようであれば、もう一度リピートやREPETITION、UNDERSTANDINGのゲームを経て、再度発話できるか確認します。
レッスンをお休みしたりした子は特に記憶が抜けていることもあると思いますので、不安にさせないようフォローしながら発話を促しましょう。
Speakingのゲーム:ジャンピングゲーム
フラッシュカードを一列に並べます。子どもはカードの列の端から、カードの単語を言いながら列の反対側まで進みます。最後のカードまでいけたらゴール!かかったタイムを測ったり、チーム制にしてリレー対決などにしてもよいでしょう。
自宅の英語タイムでも同じ段階を踏んで
自宅で、おうちの人がお子さんに英語を教える場合もあるでしょう。そんなときも、必ずこの3つの習得段階を意識してください。
まずは、話せることより、理解すること。そのためにはたくさん聞かせ、真似させることからスタートしましょう。
まだ言葉が出ていない小さなお子さんには、Understandingのところまでで十分。あとはおうちの人が英語を使うのを聞いて、発達が追いついたときに自然と英語が出てきます。
3つの習得段階を追えば無理なく英語が発話できる
いかがだったでしょうか?これは、実は人間が生まれて、言語を習得する際に必ず段階的に追う順なんです。
日本語だって同じこと。赤ちゃんは、最初は喋ることができませんが周りの大人の言葉を聞き、次第に「ママはどの人かな?」と言われて指さしをするなど、理解ができるようになっていきます。そうして、ようやく「ママ」という言葉を発しますよね。
この順序を守れば、子供たちは必ず無理なく発話ができるようになっていきます。楽しく英語を学ぶために、最も重要なこと。これを常に頭に入れて、楽しく効果的なレッスンづくりを行ってください。
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