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英語でのコミュニケーションにおいて、ネイティブ並みの発音がなくとも会話は可能ですが、綺麗な発音に憧れる人は少なくないはずです。
しかしながら、英語には日本語にない音がたくさん。…というより、厳密に言えば日本語にない音しか英語には存在しません。日本語と似て聞こえる音でも、似て聞こえるだけで実は別の音であり、同一である音はないのです。
日本語にない音はもちろんのこと、似て聞こえる音の発音もマスターすることで「日本人にしてはまぁまぁ発音がきれいな人」から「ネイティブのように発音のきれいな日本人」にランクアップすることができるのです!
英語学習者はもちろん、子供に発音を教えたいおうちの方や、英会話講師の方も参考にしていただけると思います。
今回はAからGまでの6文字を、音声のお手本と共に発音のコツをご紹介します。英語の発音をカタカナで書くのは日本語主体の発音に偏ってしまいがちなので本来おすすめしないのですが、敢えて日本語で書いた方がコツを掴みやすいこともあるので、その場合のみカタカナで表記します。
なお、発音はアメリカ英語のものです。その他の英語圏の発音とは異なる部分もございますので、ご了承ください。
目次
アルファベットには読み方と音がある
フォニックスを学ぶ際に、大前提として知っておかなくてはいけないのは、アルファベットには読み方と音があり、それぞれは別物だということです。
アルファベットを識別する呼び名と、そのアルファベットが持つ音は同一ではないんです(一部同一のものもあります)。
日本語は「あ」と書けば「あ」としか発音しませんが、「A」は「エイ」という読み方(呼び名)と[a]などの音がある、という概念をまずは知っておく必要があります。
その概念が、spelling(つづり)を作り出しています。音を聞いただけではどのようなアルファベットを書きならべるのかわからない場合に、アルファベットの並びを伝えることで、どのように書くかがわかるというわけです。日本語は書いたまま、聞いたまま読むので、つづりを気にすることってないですよね。
フォニックスとは?
フォニックスとは、アルファベットが持つ音や、アルファベットの組み合わせで作り出される音を学び、つづりと音を関連付ける教授法です。
フォニックスを学ぶことにより正しい発音が身につき、知らない単語でも読むことができ、聞いて書きとることもできるようになります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
アルファベットの音の発音のコツを学ぼう
アルファベットは26文字あり、それぞれが音を持っています。中には1文字で複数の音を持つものがあるので、それを全部習得するのは大変に感じるかもしれません。
しかしながら、一度身につければ格段に発音が美しくなるので、コツコツとでもぜひ学んでいただきたいです^^
本サイトでは難しい発音記号などの音声学ではなく、体で覚える感覚的なものをお伝えしていきたいと思います。
A

アルファベットの読み方は[ei]。「エー」ではなく「エイ」に近いですが、日本語のように「エ」「イ」ではなく、「エ」と「イ」の間を滑らかにつなげます。
A(a)には3つの音があります。
appleのa
日本語の「ア」は口を縦横に開きますが、appleのaは縦に口を大きく開けるよりも、横に開けます。
「エの口でアと言う」とか聞いたことがある人もいると思います。まさにその通りなのですが、ちょっとややこしく感じませんか?
そこで、更に簡単に。「エと言った瞬間にアと言う」です。先に「エ」と言ってから「ア」と言うのですが、「エ」は一瞬だけ。「エ」から「ア」に音が変わった瞬間に、舌が少しだけ下に落ち込むのがわかると思います。
そして注意!「ア」と言う時、先に言った「エ」の口から形は変えないでください。
fatherのa
fatherのa。前述のaとは違い、「エ」の音は発音しません。口の形は日本語の「ア」と同じであると言って良いでしょう。そしてそのまま、音を伸ばします。
日本語で「アー」というのに近いので、あまり難しく考えずに発音できる音です。
babyのa
a,e,i,o,uの5つの母音は、どれもアルファベットと同じ音を持っています。これを長母音と呼び、子音にはありません。tは「ティー(あえてカタカナで書きます)」というアルファベットの名前なのであって、「ティー」という音は持っていないのです。
babyのa。上述の、アルファベットAの読み方の通りです。「エ」と「イ」を滑らかにつなげます。
B

アルファベットの読み方は[bi:]。上下唇を一度閉じてから[b]の発音(後述を参照)をし、そのまま口を横に開きます。
bookのb
bookのb。いわゆる破裂音です。口を閉じてから、息を吐くと共に音を出します(この時音を出さないとpの音になります)。
日本語の「ブ」と同じだと思われがりが、かなり違います。日本語の「ブ」は[b]に母音の[u]が入っていますが、[b]の音は母音は入らないので注意。
更に、日本語の「ブ」よりも勢いよく息を吐きます。より破裂が強いイメージで練習してみてください。
C

Cはアルファベットそのものが日本人は不得意な部類の発音で、特に日本語では「シー」と読むため、私の教室でも苦労している生徒さんもいます。
上下の歯を合わせて息を吐いてから(音は出しません)…[s]
口を横に開いて「イー」…[i:]。
なので実は、実際声帯が出している音としては「イー」のみなんです。
いきなり[si:]と発音するのが難しい子供には、[s]と[i:]の2段階で教えています。まずは上下の歯を合わせて息を吐き、その後で[i:]。それをゆっくり繰り返し、だんだん繰り返す速度を速めていくと[si:]になります。
catのc
catのc。日本語の「ク」に似ているイメージがあると思いますが、口の形と舌の位置が違います。
日本語は口をすぼめ、口の中の真ん中あたりに意識がいっていませんか?cの音はそのもっと奥、舌の付け根から指一本分くらい前のところから息を出すイメージで。唇は力を抜き、口の形は自然に開いています。
ちなみに、意識するべき部分を確認するために指を口の中に入れてみたところ、見事にえづきました。皆様もお気を付けください。
riceのc
Cの音は、実は2通りの音があります。catのc([k])だけでなく、riceのc([s])という音もあります。
音の出し方は、上述のCのアルファベット([si:])の発音から[i:]を抜いたもの。上下の歯を軽く閉じ、息を吐きます。音は出しませんので、息の音だけで成り立っています。口の形は力を抜いて、自然に開いています。指一本入らないくらい、うっすらと。
ちなみに歯が抜ける年齢の子は、若干発音しにくそうにしています^^;
D

これまたカタカナで書いた通りの「ディー」ではないので要注意です。
「ディー」は舌の先全体を一瞬前歯の付け根にくっつけてから離しますが、Dは舌の先を前歯の付け根に叩きつけてから離します。
「ディー」のほうが口を横に開くので口の中を平たく使い、D([di:])は舌を軽く丸めるので「ディー」に比べて縦に空洞ができます。
dogのd
dogのd。
Dのアルファベットの読み方から[i:]を抜くとdの音になると考えてください。舌先をほんの軽く丸め、前歯の裏の付け根部分に叩きつけてから離します。
この、舌先をつける場所が非常に重要で、後ろすぎても前すぎてもいけません。舌先が半分は歯の裏に、もう半分は上あごにつく場所が正位置です。
E

日本語で「イー」と言うのと似ていますが、最後は軽く力を抜くのがポイントです。日本語のほうは最後まで「イー」の力加減が変わらないはずです。
elephantのe
elephantのeです。日本語の「エ」との違いは、「エ」より更にしっかりと口を横に開けることです。
若干「ア」っぽいイメージで発音します。
appleのaが「エ」寄りのaなら、elephantのeは「ア」寄りのeです。
[i:]
母音なのでA同様、アルファベットの読み方そのままの音も存在します。beやmeなどのeですね。発音は前述通り、「イー」と言い最後は軽く力を抜きます。
F

「エ[e]」にアクセントを置き、「フ[f]」と力を抜くように軽く前歯を下唇に置きます。前歯を置く位置は、厳密には下唇の乾いた部分と、口内に続く濡れた部分のちょうど境目あたりです。
[f]の音は息の音だけで、声は発生しませんので、実際声となる音は「エ([e])」のみです。
fishのf
fishのf。catのc同様、音を出さない”無声音”と呼ばれる音です。
歯と下唇を合わせ、そこから漏れる息のみで音ができています。
唇の形は日本語の「フ」は唇を丸くすぼめますが、[f]はほんの少し口が開くのみ。下唇に置いた歯の隙間から息を出すイメージです。
前歯の置き場所は前述の[ef]の発音同様、下唇の乾いた部分と濡れた部分の境目です。下唇は噛む必要はありません。
G

読み方は発音記号を使って出ないと表現できないのですが、[dʒíː]。口をすぼめながら日本語で「ジー」と言う感じです。音の最後は下唇が下がります。
goatのg
goatのg。catのc([k])の有声音バージョンです。
[k]に音をつけると[g]になるわけです。そのため、音を出す場所は[k]と同じ。舌の付け根より少しだけ手前から音を出すイメージです。口の形は自然に力を抜きます。口をすぼめないようにしてくださいね。
[dʒ]
Gにはもうひとつ音があります。 giraffeやgenerationなどの[dʒ]です。口をすぼめ、「ジ」と発音。「ジュ」のようにも聞こえますが、実際には「ユ」の音は出していません。
口のすぼめ方は、「ウ」ほどすぼめず、「ウ」より少しだけ横に開く感じです。いわゆる「アヒル口」みたいなイメージで。
こども英語LITTLE KIDSのフォニックス動画
教室の生徒さんに、おうちでフォニックスを練習する宿題のお手本として作っているものですが、大人も十分に参考にしていただけると思います。
ぜひ観てみてくださいね。
次回はHからNです^^
今回はAからGまでのアルファベットとその読み方の発音のコツをご紹介しました。
発音に関してはとにかく練習するしかなく、口の中の形や歯の位置、舌の位置を体に染み込ませる必要があります。習得するには長い道のりかのように思えますが、一度コツをつかめば美しい発音が手に入ります!
次回はHからNまでの発音のコツです。
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