英語民間試験が大学入試に影響!英検やGTECの結果が受験合否判定に活用される

試験

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2020年度より、大学入試改革として、大学受験が大きく変わります。

これまでのセンター試験が、大学入試共通試験という名前に代わり、各教科の出題形式や配点などが変更になります

そんな中でも特に大きな変化がある教科が、英語。

英検をはじめとする英語民間試験が大学入試に活用されることになりました。

あと半年もすれば2020年ですが、未だその詳細が発表されていない部分も多々あります。

今回えいごラボでは、現時点でわかる大学入試の英語民間試験について調べました!

英語民間試験が大学入試の合否判定に関わる

入試

大学入試改革のひとつとして今回導入される、英語民間試験。

これまで、文法問題や読解、作文といった「机上のお勉強」がメインだった大学入試。

しかし大学入試センターはやっと気づいたようです…

「あれ、聞くとか話すとかって、英語に必要じゃね?」って。

そこで導入することにしたのが、英語民間試験

受験を控えた花の高校3年生たちが、受験年度の4~12月中に受験した対象の英語民間試験の結果が、英語の技能として大学の合否判定に影響するというわけです。

対象の英語民間試験は7種類

検定

英検
ケンブリッジ英検
TOEFL iBT
TEAP
TEAP-CBT

GTEC
IELTS

以上7種類の英語民間試験が、2020年度に受けられる検定です。

本当はここにTOEICも入ってたんですが、突然「やーめた」ってなっちゃったみたいです。

受験料や 受験会場の数などは各検定にバラつきがあります。

各英語民間試験の受験料と受験会場

検定名 受験料 受験会場 日程
英検 5,800~9,800円 47都道府県 4~11月
ケンブリッジ英検 9,900~25,850円 全国10都道府県以上 6,8,10月3-4
TOEFL-iBT 235米ドル 全国10地区 11月に試験日程発表
TEAP 15,000円 全国10ブロック 7,9,11月
TEAP-CBT 15,000円 全国10ブロック 6,8,10月
GTEC 6,820円 47都道府県 6,7,10,11月
IELTS 2,5380円 39都道府県 16都道府県で24回/23都道府県で22回

種類の違う検定を標準化するCEFRとは

英検

いずれも英語の技能を測る民間の検定ですが、英検のように級が存在するものからスコア式のものまでさまざま。

そんな、種類の違う検定をCEFR(セファール)という指標に当てはめることで、どの民間検定を受験しても英語の技能を測ることができるということなのです。

CEFRとは

「外国語の学習、教授、評価のための欧州共通参照枠」という定義。

ん~なんだかちょっとわかりにくい…。

国際機関「欧州評議会」が2001年に公表した、外国語のレベルを評価するための国際指標なんです。

レベルはA1~C2まで、6段階に分かれています。

C2 高
C1 ↑
B2
B1
A2 ↓
A1 低

このように、Aが一番低く、Cが一番高い。

また、数字は1より2のほうがレベルが高く、最高レベルはC2です。

英語の技能は「読む・聞く・書く・話す(会話)・話す(表現)」を重点に置かれます。

ちなみに英検はA1~C1相当のレベルだそう。受験球とスコアに該当するランクに位置づけられるのです。

英語民間試験が実際どんな風に入試に影響するの?

大学

では、そんな英語民間試験が大学受験にどのように絡んでくるのでしょうか。

2019年9月20日現在、英語民間試験を何らかの形で大学入試に利用する「大学入試成績提供システム」を導入するとしている国立大学は79校。

同システムの導入は全て大学側に委ねられていて、「いや、うちは民間検定とかいらないです」と言うならそれでよいです、ってわけです。

1. 出願資格

79校のうち44校が、英語民間検定を出願資格としています。

「うちの大学に出願するからには、英語民間検定の受験が必須だからねっ」ってことです。

ってことは、特にそのスコアは合否に影響しないってことでしょうかね…ほんまかよ~って思っちゃうけど。

2. 点数化して加点

33校。
「英語民間検定のスコアを、英語の大学入試共通試験の点数に上乗せしちゃうよっ」てこと。

なので、良いスコアや級を持っている人の方が有利ってわけですすね。                         

3. 出願資格及び点数化して加点                    

7校。「出願するには絶対検定受けてくれなきゃ無理だし、スコアも入試に加点するねっ」てことです。

4. 一定水準以上の成績で大学入学共通テストの「英語」を満点とみなす  

3校。「民間検定の成績の良い子は、大学入試共通テストの英語は満点ってことにしてあげるよ!」ということ。

ってことは、大学入試共通テストの前に満点を取るチャンスなわけです。

5. 高校が作成する証明書等の併用

8校。「高校から提出される書類と合わせて、選考の参考にするね!」

6. 高得点活用(大学入学共通テストの「英語」の得点と比較)        

1校。「英語の大学入試共通試験か民間検定、点数の高い方を合否判定に使うよ!」

7. 活用するが、現時点で活用方法を明示していない               

8校。「使う使う!民間検定使う!でも出願条件にするか、加点にするか…ちょっとまだわかんないっす」

受験者としては「そろそろ開示してくれ~」って感じですよね…。

実は問題山積みだった

山積み

大学入試改革の目玉である、英語民間検定の導入。

しかしながら実は問題が山積みで、教育者、受験生ともになかなかのブーイング状態なのです。

一体それはどんな理由からなのでしょうか。

1. 7種類の検定から選べるのは結局都会の子だけじゃないか問題

先の「各英語民間試験の受験料と受験会場」の表にもある通り、47都道府県で民間検定を受験することが出来るのは英検とGTECだけ。

あとの検定はエリア分けで実施されるため、各都道府県には受験会場が用意されません。

結局のところ、わざわざ他の地方へ受験しにいかない限り、7種類の検定すべてが受験の選択肢に入るのは都心や大都市の受験生だけということになります。

2. 別々の検定を国際指標に当てはめてホントに英語力が判定できるのか問題

検定は英語の技能を測るものとはいえ、それぞれ出題形式や回答時間、問題数が違います。

ピアノとバイオリンとフルートの演奏、どれが一番上手ですか~って判定するようなもので、同じ音楽とは言え楽器が違うのだから判定は難しい。

そのためにCEFRって国際指標があるんですよ!ってことらしいんですが、専門家からは疑問の声も多数上がっているようです。

3. 英検とGTECに申し込みが集中しすぎ問題

1.の「7種類の検定から選べるのは結局都会の子だけじゃないか問題」でも述べた通り、全都道府県で受験可能なのは英検とGTECだけ。

そのため、地方の受験生は英検もしくはGTECに申し込む確率が高くなり、相対的に英検とGTECへの申し込みが集中する見込みです。

初めての試みであることもあり、システムトラブルの心配もされています。

4. 費用がかかる!親泣かせ問題

受験料や入学金、授業料なんかを頑張って用意している親には涙が止まらない案件…英語民間検定の受験対策の問題集や受験料、受験会場への交通費など、エクストラの出費!

2回まで検定を受験できますが、裕福な家の子の方が有利なのでは?という声があがっています。

5. 大学に行くには検定を受けなくては…目的が変わってきてる問題

英語民間検定を出願資格や、大学入試共通試験に加点するとあれば「何が何でも英語民間検定を受けなければ」状態。

大学受験に民間検定を利用するっていうシステムなのに、逆に必死に民間検定の勉強をすることになって、一体何が本来の目的なのか見失いそうだという声も。

6. えっもうあと半年で2020年きちゃうんだけど問題

大学入試改革と大きく銘打っている割に、いまだ詳細がはっきり打ち出されていないことも多い英語民間検定。

ひとまず英検の申し込みは始まったものの、なんだかよくわからない状態で受験生は困惑しているようです。

各民間検定の情報もスムーズに手に入りにくく、「2020年も迫ってこのような状態なんて不安!」という教育者や受験生からは、中止や開始時期を延期してほしいという要請が出ています。

どうなる英語民間検定…!

受験

今のところ2020年度(2021年1月)の大学入試共通試験で利用される英語民間検定。

しかしながら情報不足、詳細不明なことも多い段階です。

えいごラボでは、今後とも英語民間検定について情報を発信していきます!


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ABOUTこの記事をかいた人

子供英会話講師歴15年。 大手英会話教室に勤務したのち、独立し現在は大阪府豊中市・池田市でLITTLE KIDSという子供英会話教室を運営しています。めちゃくちゃ声が大きいのが特徴。 2人の男の子の母親でもあります。