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子供の英語教育に対する重要性が高まった今、英会話スクールにインターナショナルスクール、家庭用教材やオンラインレッスンなど、子供向けの英語教育のバリエーションは多岐にわたります。
お子さんに英語を(学校外で)学ばせている保護者の方は、「子供が英語を話せるようになって欲しい」という願いが少なからず込められているはずです。
しかし、「英語を話せるようになる」というのは一体どのようなことで、その為にはどのような学び方をする必要があるのでしょうか?
今回は、子供が「英語を話せるようになるには」というテーマでお送りします。
目次
「英語が話せる」というのは一体どの程度のレベルなのか
「うちの子、英語が話せるようになるでしょうか?」
ときどき、このような質問を保護者の方からいただきます。
そこで、私はこのように逆に質問をします。
「”英語が話せる”というのは、どれくらいのレベルをお考えですか?」
と。
当たり前ですが、私たち日本人にとって英語は外国語です。第2公用語ですらありません。そのような言語を、どこまで操ることができれば「英語を話せる」と解釈するかが、個人によって異なるところです。
そこで、英会話講師から見て考え、英語力(=英語を操る力)を段階別のレベルに分けてみました。
1. 決まったフレーズを覚えれば会話が成り立つ
例にとってみるとわかりやすいのが「買い物」です。
I’m looking for a bag. (カバンを探しています。)
Do you have a big bag?(大きなカバンはありますか?)
A hamburger,please.(ハンバーガーをひとつ下さい。)
How much is it?(それはいくらですか?)
Keep the change.(お釣りはいりません。)
などというように、買い物の際に使うフレーズというのはある程度決まっています。もちろんバリエーションはありますが、言いたい事につきひとつのフレーズを覚えていれば相手には通じます。
また、挨拶も同様です。
Hi! How are you?(こんにちは!元気?
I’m good. You?(私は元気よ。あなたは?)
I’m a little feverish today.(なんだか今日は熱っぽいかな。)
Really? Take care.(本当?お大事にしてね。)
こちらもバリエーションは多様にありますが、「会話を成立させる」ことを目的とするならばそう多くの種類のフレーズを覚える必要はありません。
要は、元になるスクリプト(台本)を覚えておき、その中で知っている単語を入れて話せば会話になる、というレベルです。
2. 自分の事を話す/相手に質問をする
これは「買い物」などのように目的があって会話をするのではなく、会話する相手と話すことを目的とする場合です。
《自分のことを話す》
I’m a junior high school student.(私は中学生です。)
I like to play tennis.(テニスをするのが好きです。)
I went to the pool last week.(先週プールに行きました。)
《相手に質問をする》
How often do you listen to music?(どれくらいの頻度で音楽を聴きますか?)
Do you like dogs?(犬は好きですか?)
Where are you from?(出身はどこですか?)
このレベルだと、聞かれたことに答えるだけでも、自分のことを話さず相手に質問するだけでも会話は成り立ちません。
いずれの場合も話のトピックはたくさんあり、それによって動詞を選び変えたり目的語を変えたりすることで、話せる内容のバリエーションを増やしていきます。
ある程度のボキャブラリー(単語)の数と、文法の習得も必要です。
3. 自分の考えを述べる
「〇〇について説明する」「〇〇について考えを述べる」となると、更に英語力が必要になります。
1文だけでは説明や考えとして相手に伝えるには不十分であるため、色んな文章を使って説明をしたり、自分の思いやトピックにまつわるエピソードを盛り込む必要があります。
My dream is to be a soccer player. I belong to a soccer club. When I was 5 years old,my father took me to a J-LEAGUE soccer game. It was really fun to watch. So I wanted to try soccer,too. I practice soccer 2 days a week.
It’s hard sometimes,but I’m happy when I win the game.
(僕の夢はサッカー選手になることです。サッカークラブに入っています。5歳の時、お父さんがJリーグの試合に連れて行ってくれました。とても楽しかったです。それで、僕もサッカーをやってみたくなりました。週に2回、練習があります。難しい時もあるけど、試合で勝った時は嬉しいです。)
このように、何かについて話をするとなると、現在の事、過去の事を交えて話したり、主語が変わったり、文章によって動詞がbe動詞と一般動詞だったりと、文章それぞれに変化があります。
ボキャブラリーはもちろんですが、文法力がさらに必要になるのがこのレベルです。
4. スラングやジョークを交えて話をする
お子さんでこのレベルとなると相当ハイレベルです。英会話教室をはじめ、教育の中では学ばないこともたくさん出てくるので、日常的に英語で会話したり、ネイティブの英語をたくさん聞いて少しずつ英語のセンスをネイティブに近づけていく必要があります。
どのレベルなら「英語が話せる」と言えるのか?
個人の価値観によって、どのレベルなら「英語が話せる」かというのは違うと書きましたが、前述の「”英語が話せる”というのは、どれくらいのレベルをお考えですか? 」と私が保護者に質問すると、大方このような回答が返ってきます。
「日常会話ができるくらいには…」。
この「日常会話」というのが微妙なラインなのですが、先にランク分けしたレベルで言えば2~3と言ったところでしょう。3あれば十分、2でも十分な語彙力と文法力があれば、日常会話には困りません。
「英語が話せる」ようになるにはどんな勉強が必要?
では、ここでは「英語が話せる」というレベルを2としましょう。レベル2である程度のフリーカンバセーションが成り立つには、どのような勉強をする必要があるのかをお話します。
1. 単語
まずは、単語です。文法力もそれなりに必要ではありますが、適切な単語を選ぶことが出来れば、多少文法が間違っていてもカバーできます。
単語も、ジャンルがたくさんあるので、少しずつでも幅広いジャンルの単語を覚えることが必要です。
・食べ物
・天気
・洋服
・飲み物
・動物
・数
といったものから、
・動詞
・助動詞
・疑問詞
この辺までカバーできれば、だいたい言いたいことは言えるでしょうし、聞きたいことは聞けるでしょう。
2. 文法
単語ありきですが、正確に意思疎通をさせるためには文法も無視できません。
Are you~?で聞かれたら I am~で答える、
Do you~?で聞かれたらI do(一般動詞)~で答える。
このような質問は最悪Yes. No.と一言ずつでも回答できますが、
What country do you want to go?(どこの国に行きたい?)
というような、Yes/Noクエスチョンでない場合は自分で文章を組み立てて回答する必要があります。
文法とは、細かく言えばたくさんありますが、第1ステップとしては「語順を正しく並べる」です。
I want to go to Australia.(オーストラリアに行きたいです。)
何を最初に持ってきて、どの単語の次にどの単語を持ってくれば良いのかがわかっていれば、動詞にsがついてないだとか、toを抜かしただとか、それくらいの間違いで意味が通じないなんてことはありません。
中には、単語で答えることで回答できる質問もありますよね。
What country do you want to go?(どこの国に行きたいですか?)と聞かれ、Australia.と一言で答えても、意味は通じるわけです。
しかし、Why do you want to go to Australia?(なぜオーストラリアに行きたいの?)と聞かれたら、ひとつの単語だけでは言いたいことは表現できないはずです。
そのため、ボキャブラリー(単語)と文法(語順)を正しく使うことによって、自分の言いたい事を表現することができるわけです。
3. とっさのフレーズ
単語や文法関係なく、身に着けておくべきフレーズもあります。
Thank you.
って、単語それぞれの意味や文法を考えて使うことってありませんよね。「ありがとう」って意味だと、フレーズそのままで覚えているからです。
このように、「こう言われたらこう返す」「こんな時にはこう言う」というように、フレーズそのままで覚えると良いものも多いです。
例えば
Excuse me.(すみません。)
Take care.(気を付けて。/お大事に。)
Are you okay?(大丈夫ですか?)
It’s been a while.(お久しぶりです。)
Thanks,you,too.(ありがとう、あなたもね。)
What was that?(今何て言ったの?)
というように、とっさに出て来なければ発言のタイミングを逃すもの。言えなかったら無言でその場が過ぎていきます…。
「英語が話せるようになる」カリキュラムとは!?
英会話教室を運営している私が言うのもなんですが…。
ずばり、中学校の英語の教科書です。
「えっ、学校の英語!?中高6年間勉強しても英語が話せるようにならなかったのに…」
そう言われる方も多いです。
確かに、そんな人も多いでしょう。しかしそれは、話す練習をしていないからで、ある程度英語が話せるようになるための基礎(単語、文法)は中学校3年間の英語でほぼ網羅していると言って良いと私は考えています。
要は、これらの基礎を会話として使いこなせるようになるかどうか、です。
英語で会話をするにあたって最大の武器とは!?
実は、知っている単語の数でも文法でもありません。
なぜなら、語彙力があって文法も得意なら必ずしも話せるとは限らないからです。
そこで、一番必要な物…なんだと思いますか?
度胸と瞬発力
です。意外でしょうか??
間違ってるかも、語順が合ってるか不安…ここはdoだっけ?didだっけ?と考えている間に、会話はどんどん進んでいってしまいます。
合ってるかどうかは二の次で、発言してみる。
そんな度胸と瞬発力が、何より大事です。
そこに語彙力と文法力が加われば、会話になるのですから。
例え間違えたとしても当たり前、母国語じゃないんだから。
間違えたから、次はこう言えばいいんだね。
そんな風に、間違うことを前向きにとらえられるマインドが、何より大切なのです。
度胸と瞬発力、どうやって養う!?
度胸と瞬発力だなんて、そんなこと言われたら元も子もないよ~って思う人もいるかもしれません。
でも、すごく大事なことです。
そこで、英会話教室にお子さんを通わせる場合、重要視して欲しいことがあります。
それは、講師がどのように子供に向き合っているかです。
体験レッスンに行った際は、褒め方、間違いの正し方、注意の仕方、子供の気の引き方…どのようにしているかを、何より見てください。
中には体験レッスンは子供のみでというところもあるかもしれませんが、正直オススメできません。講師が自分のレッスンに自信を持ち、生徒に対して愛情深く接しているならば、むしろ保護者の方にも見てもらいたいはずだからです。
特に間違った時の正し方、ここに注意して欲しいです。
私は「間違っているよ」「そうじゃないよ」という言葉は絶対に使いません。「間違ってしまった…」「失敗しちゃった…」と後ろ向きな気持ちにさせてしまうからです。
その代わり、「こうしたらもっと良くなるよ!」「ここだけ直したらあとは完璧!」「そんな時はこんな風に言うとうまく伝わるよ!」というような言葉で間違いを正します。
語学って勉強も大事ですが、それよりマインドが重要です。とにかく安心感第一。そうすれば、行動に移す勇気が出ます。それが度胸と、瞬発力につながります。
子供はとても繊細です。その繊細さに寄り添ってあげることのできる講師を探すことが、遠回りにも見えますが一番確実な「英語を話せるようになる」ポイントだと考えています。
「マインドなんて、そう簡単に身につくものではない…」とお考えの方もおられるかもしれません。ましてやお子さんがある程度大きくなり、性格が形成されてきたら尚更。
私は早期英語教育推進派というわけではありませんが(子供英会話講師がそれを言うか!?と言われればそれまでですが笑)、そう言った意味では性格が形成しきる前、早期に良い講師と出会わせることが英語力の養成の最大のカギとも言えるでしょう。
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